全日本・東京 官公庁剣道連盟

東京官公庁稽古会申込用紙ダウンロード 全日本官公庁大会申込用紙ダウンロード 東京官公庁大会申込用紙ダウンロード

※各用紙のPDFファイルがダウンロードいただけます。印刷の上、郵送にてお送り下さい。

FAX : 04-7133-9770

天鑑無私
官公庁剣道連盟事務局
‥‥‥
〒277-0831
千葉県柏市根戸103-10-905
TEL / FAX : 04-7133-9770
info@kankoutyoukendo.org
全日本剣道連盟 東京武道館

中央講習会

「令和4年度剣道中央講習会」官公庁剣道連盟報告会資料
新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法
日本剣道形「共通理解」
FAIR PRIDEガイド
一般財団法人全日本剣道連盟における倫理に関するガイドライン

「令和4年度剣道中央講習会」官公庁剣道連盟報告会資料

1.日次:令和4年6月12日(日)13:00〜16:30 第一回(予定)
 内容:日本剣道形、指導法、審判法
 日次:令和4年7月24日(日)9:00〜12:00 第二回(予定)
 内容:日本剣道形、指導法、審判法
2.場所:台東リバーサイド第二武道場
3.報告者:谷口茂樹教士 (全日本官公庁剣道連盟理事長)

『報告』令和4年度(第57回)剣道中央講習会

1.目的
剣道の普及・発展のため、全日本剣道連盟と各都道府県剣道連盟及び全国組織剣道関係団体との意思の疎通を図るとともに、新型コロナウイルス感染拡大の中で指導法・審判法について共通の理解を得ることを目的とする。
2.日次:令和4年4月2日(土)~3日(日)2日間
3.会場:神戸市中央体育館(兵庫県神戸市中央区楠町4-1-1)
4.主催:公益財団法人全日本剣道連盟、主管公益財団法人兵庫県剣道連盟
3.講師:濱﨑滿範士、佐藤常任理事(女子委員会)、香田郡秀範士、宮坂昌之教士
4.受講者53名(各都県各1名 全国組織各1名 計53名)谷口理事長参加
※受講者資格:剣道教士七段以上、各都道府県剣道連盟及び全国組織剣道団体の運営及び指導的立場にある専務理事・理事長又は同等の責任者各団体1名

5.日程
4月2日(土)13:30開講式~17:30
(1)ガバナンス・コンプライン等
(2)新型コロナウイルス感染症対策
(3)女子委員会の報告
(4)ガイドラインを踏まえた剣道稽古法・指導法座学・実技
4月3日(日)9:00~13:30 閉講式
(5)ガイドラインを踏まえた試合・審判の留意点 (6)日本剣道形
(7)質疑・応答等

官公庁剣道連盟 官公庁剣道連盟
剣道中央講習会々場(神戸市中央体育館)

○開講式 13時30分 網代忠宏新会長挨拶:本講習会は、全日本剣道連盟の年度最初の最も重要な講習会であ ります。コロナ禍3年目となりますが令和2年度は中止、昨年は今年度同様に東日本、西日本をひとつにしての開催となりました。各都道府県、全国組織剣道団体との意思の疎通 を図る講習ですので各々持ち帰って報告等よろしくお願いいたします。

6.講義 [1]ガバナンス・コンプライアンス

講師:中谷行道専務理事

・全日本剣道連盟は、令和2年9月に一般財団法人から公益財団法人に移行する。
(申請→関係当局から指導→改善→認可)
○財務面(全剣連:法人税が非課税、寄付者:全剣連への寄付が手続きによって所得控除本質的重要事項(社会からの信用力が向上し重責が増大)にガバナンス確立、コンプライアンスの徹底に取り組む必要がある。

(背景)
スポーツ団体を巡る環境変化からガバナンスの強化が重要となった。 近年スポーツ界に様々な不祥事が発生した。剣道界でも居合道段位称号審査に関し金銭の授受、体罰・暴力問題が発生し報道もされている。 このことは、剣道、居合道、杖道などが社会から敬遠されかねない。
此の問題を解決するには、ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底が求められる。 (改善)
・社会からの信用力向上のために責任の増大を図る。 ・責任を果たす為には、ガバナンスの確立・コンプライアンスの徹底が必要である。 (結果)
・今後、不祥事を防止し社会から信頼される剣道界を創る。・そのためには運営及び指導的立場にある方々が率先して取組む必要がある。

(1)ガバナンスとは:「統治・支配・管理」
・適切な組織運営「スポーツ庁」スポーツ団体として、社会的責任を果たす方策
・目的に応じた組織や権限・責任体制を自ら構築、独断専行が生じないように相互牽制関係の明確化、情報公開、説明責任等を図る。
・違法・不正な意思決定が行われないための仕組みを構築し組織のリスクや不祥事防止を図る。

(スポーツ団体ガバナンスコード:令和元年6月制定13の原則スポーツ基本法第5条第2項スポーツの振興のための事業を適正に行うため、運営の透明性の確保、その事業活動に関し遵守すべき基準の作成に努める。※毎年自己審査・公表、4年に1度日本スポーツ協会やJOCによる審査受審。

(2)コンプライアンス・倫理
コンプライアンス:法令遵守(受け入れること、迎合、人のよさ、親切、従順な対応を表現)
○法令、定款・規定・規則等「組織内規範」、常識や良識「社会規範」、全剣連の理念や社会的責任「倫理」等法令に加え様々な規範倫理・道徳が伴う。
コンプライアンスを維持改善するための管理体制が「ガバナンス」
※結論:ガバナンス強化⇒コンプライアンス強化になる。
※公益社団法人全日本剣道連盟における倫理に関するガイドライン(平成30年11月制定、令和元年11月、令和2年3月、9月改定)全日本剣道連盟HP参照

[2]新型コロナウイルス感染症対策

講師:宮坂昌之講師(大阪大学名誉教授)
人間は「不都合な真実」より「耳に心地よい話」の方を聞きたがる傾向がある。この2年間コロナは諸説紛々の世界だったが一体何が正しかったか?
現在、日本では、オミクロン株が流行し、BA.1が主流だがBA.2も一部増えてきている。
○オミクロン株は感染性が高く、エアロゾル(マイクロ飛沫)によって感染すると考えられています。

(1)マスクやフェースシールドの効果 評価
・不織布マスク → 吸込み飛沫量70%減、吐出し飛沫量80%減
・布マスク → 吸込み飛沫量35-45%減、吐出し飛沫量66-82%減
・ウレタンマスク → 吸込み飛沫量30-40%減、吐出し飛沫量50%減
・フェィスシールド → 吸込み飛沫量効果なし、吐出し飛沫量20%減 ×

○マスクの効果は、完全でない。マイクロ飛沫の吸込はうまく抑えられない。
また、いくつかの感染対策は重ねることによって強い効果を引き出すことができる。
・以下の数字は想定の例としてあげる
(1)双方がマスク着用することにより、感染リスクが約1/10となる。
(2)双方が対人距離を保つことにより、感染リスクが約1/2となる。
(3)室内では送風・換気をすることで、感染リスクが約1/2となる。
(4)双方がワクチン接種を受けることで、感染リスクが約1/5となる。
此れ等をすべて行うことによりリスク減少は、(1/10x1/2x1/2x1/5)約1/200
何も対策を講じて無い人に比べ約1/200となる可能性がある。
○感染流行はあるところから急激に減少するがその理由は、感染が濃厚接触によって広がる。身近に陽性者・濃厚接触者がでる→リンクが存在感染者が増えると、自分がうつらないように、またうつさないように行動をとることが多い。ワクチン接種、マスク着用、対人距離保持等いくつかの対策が重なるとリスクが大幅に低減する。
○私たちの身体は、自然免疫(生まれつきもつ)と獲得免疫(生後獲得)という防御機構がある。
○重症化は加齢とともに大きくリスクが増え子供の重症化は非常に少ない。
○高齢者の自衛:70 才を超えると、2回接種でも十分に抗体を作れない人の頻度が高くなる
○その他
・ワクチン2回接種をしたから大丈夫とは限らない(過信しないこと)
・デルタ株までのウイルスに感染しても、オミクロンは再感染することがある。
・今後すぐにウイルスが弱体化するという保証はない。
・当面はみずからが感染者かもしれないと思い、対策を立てること。 それが周囲への感染対策となる。
・ブースター(追加)接種も機会がきたら速やかに行うことを奨励する。
○死亡数増加は、ワクチン接種開始前から始まり接種後も同じ傾向が続いている。
○医師、看護師の9割が2回目のワクチン接種済である。
○脳内出血、血栓症、塞栓症、心筋梗塞、心筋炎、心嚢炎のリスクは、ワクチンよりコロナ感染が高い。
○mRNAワクチン接種により不妊、流産や奇形が増えることはない。(ファイザー、モデルナ)
・アメリカ:約87万の妊婦を調査の結果、接種者は、未接種者のよりコロナ感染の死亡が15倍少ない。また、早産が22倍少なかった。
○稽古における注意(オミクロン株が流行している現在)
・道場内での注意:道場の窓、扉はできるだけ解放する。特に空気が一方向に流れる工夫をすることが大事である。(通気・換気)
(窓、扉を閉めてのエアコン運転では、一度に多くの人が感染する恐れがある)
・マイクロ飛沫の滞留を防ぐには、工業用扇風機(送風機)を使用するとよい。斜め上方に向けて常時運転する。
・マスク着用は、必須(マスクは、大きな飛沫のみならずマイクロ飛沫もある程度防ぐ。
・高齢者は、シ-ルドもする方が望ましい。(自分の飛沫を減らせる)
・接触感染には、あまり神経質にならなくても大丈夫(床は、一度清掃すればよい)
・更衣室での会話に注意(通常、換気が悪くミクロ飛沫を浴びやすい)
○道場外での注意
・体調に不安があるときには稽古に参加しないこと。
・PCRや抗原検査で陰性がでても「陰性証明」にはならない。(見落とし3割)
・大人数での会食は、感染リスクがあがる。 ○通風・換気には、工業用扇風機(送風機)とCO2モニターの使用が効果的。
※新型コロナウイルス感染症が終息しない現在、「感染しない、感染させない」ことが大切である。指導者は、誤情報やデマに惑わされず、正しい医学情報に基づいた万全の対策 を講じる。参加者は、正しく恐れる意識を持ち一人一人が行うべき感染症対策
(体温37.5度以下、手指の消毒、フィジカル・ディスタンスの確保、マスクの着用)を必須条件として徹底指導し稽古を実施すること。

官公庁剣道連盟
座学での講習状況(窓、扉が解放され通風・換気十分)

[3]女子委員会の役割・活動(報告)

講師:佐藤常任理事

各委員会との連携を図りながら、更なる女子剣道の普及と質の向上を図る。
(1)幼少年剣道の活性化を目指す。
(2)指導法講習会や審判研修会において女性が講師としての責務を担えることを目指す。
(3)幅広い年齢層の女性が参加できる魅力ある大会の企画を行う。
(4)感染症対策や安全対策を講じ、大会や講習会の保育室設置の周知を一層図る。
(5)女性剣道愛好者が夢と希望を持ち精進できる環境整備や広報活動の工夫及び活性化を図る。
(6)各連盟の女性代表者による全国リモート会議を通して相互の交流・連携の在り方を検討する。全国リモート連絡会議について、アンケートの結果41/47が回答。内容は、大変良かったが40連盟(95%)、まあまあよかったが2連盟(5%)42団体が良かったと評価した。
※(私見)現在、剣道人口の1/3を女性がしめている。全国リモート会議は、全国の女子剣士 の交流・情報の共有化となりまた、保育室設置等の環境整備を整えることにより幼年者に剣道に興味を持ってもらうことにより剣道人口の増加に繋がる。全国組織剣道団体も3月にzoom会議を昨年、今年と取入れた会議を行った。

[4]指導法

全日本剣道連盟指導育成委員会 講師:濱﨑滿範士

○新型コロナコロナウイルス感染拡大予防ガイドラインの遵守。
A・指導法の重点事項
「剣道の理念」をより深く認識し、高い水準の剣道をめざすために「指導法講習における重点項目を踏まえた指導法の普及を図る。(剣道講習会資料P9」
B・指導の内容
1.講話(剣道指導要領、剣道講習会資料P8参照)
 (1)剣道の理念、剣道修錬の心構え、剣道指導の心構え等の講話を通して、剣道実践者と しての姿勢態度を養う。(剣道指導要領P5)
 (2)剣道小史などの講話によって、剣道への興味や意欲を高める。(剣道指導要領P1~4)  (3)剣道指導の在り方について(剣道指導要領P6~10)
 ア 指導者(心得)
 イ 指導のねらい
 ウ 指導の展開
 エ 技術の習得と稽古に対する指導
 オ 指導上の留意点

2.実技(剣道講習会資料、剣道指導要領等参照)
講習会等での順序としてできるだけ
 (1)日本剣道形
 (C)木刀による剣道基本技稽古法
 (3)竹刀稽古の順で行うことが望ましい。

(1)日本剣道形(剣道講習会資料P90参照)
 1)ねらい
 ・剣(日本刀)の観念で「刀法の原理」「攻防の理合」「作法の規範」を習得させる。
 2)指導事項(剣道講習会資料P91の日本剣道形における「重点事項」を参照
 (1)立会前後の作法、立会の所作、刀の取扱い。
 (C)打つは、切るの意なり
 (3)刃筋、手の内、鎬の使い方、一拍子の打突、間合、機、勝機、目付、呼吸法、残心、気迫

(2)木刀による剣道基本技稽古法(剣道講習会資料P70参照)
(日本剣道形と竹刀剣道との中継ぎ)
・級審査もあり指導者が知らない、教えられないことの無いようにする。
 1)ねらい  (1)木刀を使用して「刀法の原理・理合」「作法の規範」を理解させる。
 (C)木刀を使用して竹刀稽古法の基本技術と対人的技能を正しく体得させる。
 2)指導事項(剣道講習会資料P71.72参照)
 (1)打突は、常に打突部位の寸前で止める空間打突となるが、刀で「切る、突く」 という意味を理解させる。
 (C)構え、目付、間合(一足一刀の間合)、打突(刃筋、物打ち、一拍子)、足さばき(すり足)掛声(発声)残心(中段の構え)

(3)竹刀稽古法・・剣の理法の修錬に基づく氣剣体一致の「見事な一本」の追求
 1)ねらい
 (1)竹刀を使用して、剣道具を装着している打突部位へ打突する氣剣体一致の見事な一本を追求させる。
 2)指導事項  (1)剣道具を装着して「木刀による剣道基本技稽古法」を竹刀剣道に発展させる指導。習熟段階を考慮して、構成された技に関連する内容も取入れた指導を展開する。
(例)基本2本目 連続技:小手-面、小手-胴、小手-面-胴
基本6本目 すり上げ技:小手すり上げ面、面すり上げ面など
 (C)見事な一本を実打する。(有効打突(3)が必須)
 (3)呼吸法、気合、打突部位、打突部、刃筋、強度と冴え、体勢(姿と勢)、構え、さばき、正しい手の内、鎬を意識した竹刀の操作、一足一刀の間合、一拍子の打突正しい攻防(気勢、中心を外さない攻め合い、左拳を中心から外さない)正しい鍔競り合、目付、打突の機会(虚実、拍子)(剣道講習会資料P8、9の「指導法講習における基本的事項」「指導法講習における重点事項を参照)

実技2
(1)指導内容1(剣道試合・審判規則第4、5条同細則3条P3.4)参照  1)剣道着・袴および剣道具 図3-P29 参照
 (C)剣道着と袴の着装法と留意点
 (C)剣道具:面・胴・小手・垂れの着装法と留意点
 (C)剣道具の外し方、結束法と留意点、剣道着と袴のたたみ方(剣道指導要領 P11~23)
 2)竹刀(構造と各部部の名称、竹刀の基準、規格等、竹刀の安全確認)
(剣道試合・審判規則第3条同細則2条 P27.28)参照付録P20計測参照
 (C)竹刀(剣道講習会資料P116)
 (C)日本刀・木刀 (同上)
 (3)竹刀・小手・面の持ち方と置き方、手拭の置き方(剣道指導要領 P24~29)
 3)礼法(立礼、座礼、正座、座り方、立ち方)(剣道指導要領 P30~35、講習資料P13.14)
 (C)稽古前後の礼法の指導を徹底するとともに、激しい攻防の中での礼について指導。
(礼に始まり、礼をもって行い、礼に終わる精神の啓蒙を図る)
(2)指導内容2
 1)基本動作
 (C)姿勢、(C)構えと目付、(3)構え方と納め方、(4)足さばき<特に送り足、歩み足、開き足、継足、踏み込み足>、(5)素振り、空間打突、跳躍素振り、(6)掛け声、(7)間合、(8)打突の仕方・打たせ方及び受け方、(9)体当り、(10)鍔競り合、(11)切り返し、(12)残心(剣道指導要領P36~71、講習資料P16~21))
(3)指導内容3(講習資料 P22~51))初級、中級、上級
 1)応用動作(対人的技能)への移行
 (C)基本動作から応用動作(対人的技能)への移行(剣道指導要領P72)
 (C)攻め合いについて(例:三殺法、触刃の間合いから交刃の間合いに入るときの攻め勝って打つという言葉の意味(剣道指導要領P72~P73)や、気勢の充実をもって中心を外さない攻め合いの重視、安易に左拳を中心から外す防御態勢の厳しい是正。
(講習資料P9)指導法重点事項
 (3)しかけ技:一本打ちの技、連続技(二、三段の技)払い技、捲き技、出ばな技、引 技、担ぎ技、片手技、上段技、二刀の構えからの技(剣道指導要領P73~P113)
(講習資料:初級P30~、中級P42~、上級P47~)
 (4) 応じ技:抜き技、すり上げ技、返し技、打落とし技(剣道指導要領P113~P147、講習資料初級P30、中級P40~上級47~51)
(4)指導内容4
 1)稽古法:基本稽古、切り返し、約束稽古、打ち込み稽古、掛かり稽古
様々な稽古の仕方や形態(ひとり稽古、見取り稽古、立切稽古、出稽古、武者修行、合宿) 伝統的な稽古法(寒稽古、暑中稽古)(講習資料初級P33、中級P42~、上級47~))
・各種稽古法を組合せた指導。
例:互格稽古→打込み稽古→掛稽古→切り返し→互格稽古→打込み稽古→掛稽古→切り 返し(区分稽古)※各種稽古法を組合せた稽古は、時間配分等を勘案し、一斉指導または、元立ちの指示で行う。(剣道指導要領P148~P152)
(5)指導内容5
 1)新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合・審判法」における指導
 (C)正しい鍔競り合から間を切る方法
 (C)一瞬の崩しから技をしかける方法
○実技は、木刀による剣道基本技⇒防具装着し竹刀での稽古法⇒回り稽古を行った。以上

[5]新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法

全日本剣道連盟試合・審判委員会 講師:香田郡秀範士

【趣旨】
1.主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドラインの遵守(感染予防)。
2.不当な「つば(鍔)競り合い」および意図的な「時間空費」や「防御姿勢による接近する行為」の解決。
・これまでの試合は試合時間の約半分以上が、「つば(鍔)競り合い」に費やされている と言われている。これを改めて、立ち会いの間合からの攻め合いを中心とした試合展開へ移行する。
・剣道の試合にとって「勝負」の要素は大事であるが、姑息な勝負の仕方を是正し、反則ギリギリの勝負ではなく真っ向から勝負をする態度を養う。
・「つば(鍔)競り合い」については試合者の態度や心の問題が大きく影響し、規則だけ で裁くのは困難である。 試合者と審判員が共通に理解し、一体となって、良い試合の場を醸成する。

【審判員と試合者が共通に理解する主な事項】
1.意図的な時間空費や防御姿勢(勝負の回避)による相手に接近するような行為は、規 則第 1 条に則り反則を適用する。(試合者は公明正大、審判員は適正公平)
2.攻防や打突行動の中で相手と接触した場合、接触した瞬間の引き技や体当たりからの技(発声を含む)を積極的に出す。また、「つば(鍔)競り合い」になった場合は、技が出ない時には速やかに積極的に分かれる。試合者は、審判員の「分かれ」や「止め」の宣告を待つのではなく試合者双方で分かれる努力をする。
3.「つば(鍔)競り合い」解消に至る時間はおよそ「一呼吸」とする。
4.相互に分かれようとしている途中に技を出さない。この場合は技を出しても有効打突とはしない。一方が分かれようとしている時に追い込んで打突する行為や、分かれよう と見せかけて打突する行為は反則を適用する場合がある。また、分かれる途中に相手の竹刀を「叩いたり」「巻いたり」「押さえつけたり」「逆交差」をしない。(審判員は状況や 原因を踏まえた上で合議により判断する)
5.試合者は、分かれる場合は剣先が完全に触れない位置まで互いに分かれる。
6.分かれる場合は剣先を開いたり、下げて分かれない。
7.「つば(鍔)競り合い」を解消する場合は双方がバラバラに下がらない。また、双方が徐々に下がるのではなく、正しい「つば(鍔)競り合い」から鍔と鍔で競り合う(押 し合う)力を利用して一気に下がる。
8.マスクとシールドの着用
マスクは、口鼻を隠し、正しく装着する。
シールドに関しては、口を覆うものは必須とし、目を覆うものは自由とする。

官公庁剣道連盟
・ばらばらに徐々に下がる悪い例
官公庁剣道連盟
・緊迫した鍔競り合から押し合い離れる。
官公庁剣道連盟
・正しい鍔競り合の説明
官公庁剣道連盟
・竹刀が立って拳と拳でやる悪い例
官公庁剣道連盟
○引技の有効打突の判定
官公庁剣道連盟
(模範)
白(北海道)栄花講習生
赤(鹿児島)竹中講習生
官公庁剣道連盟
(C)赤の引き胴に白が瞬時に面に出る
(胴打ち落としメン)
官公庁剣道連盟
(C)旗の表示は同時が望ましい
官公庁剣道連盟
審判法講習模様
官公庁剣道連盟
試技者甲南大学剣道部協力

審判法講習における重点事項(剣道講習会資料)
審判員は、剣道試合・審判規則の理解のもとに、下記の事項に留意して、適正な試合運営に努め、試合の活性化を図る。

1.試合内容を正しく判定する。
大会の持つ目的(錬成か競技か)や、その内容(錬度、年齢、性別等)を正しく判断して、それぞれの有効打突の基準を設定し、試合の活性化を図る。
(申し合わせなどにより意思の疎通を図る)
2.有効打突を正しく見極める能力を養う。
有効打突の判定は、審判員の独自性や独善性によらない経験則に基づく客観性や妥当性 が要求される。能力を養うためには不断の稽古が重要である。
(3)有効打突の条件と諸要素の理解 規則第12条の条件(充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で、打突部位を刃筋正しく打突し、残心のあるもの)これらは欠くことのできない必要条件であることを理解すること。
(間合、機会、体捌き、手の内の作用、強さと冴え)これらは条件を助ける要素であることを理解しなければならない。
(C)技の違いと錬度に応じた打突の見極め
たとえば、打突が軽くても応じ技等の「玄妙な技」などは、技の質により一本に採れる場合がある。ただ「軽いから一本にならない」とせずに、打突の機会や体捌き、手の内の作用等を勘案して、技の違いによる有効打突を見極めることが大切である(打突の強さは有効打突の要素である)。
3.禁止行為の厳正な判断と処置をする。
(C)行為の原因と結果の正しい見極め
結果には原因が伴っていることを認識すること。たとえば、「場外に不用意に出る」と「不当に場外に出す」ことの違い等。
(C)禁止行為に対する的確な処置
 ア 規則にも基づいた厳正、的確な判断と勇気ある決断をする。
 特に灰色部分(不当)を見逃さない。
 3つの不当「不当に場外に出す」(打突の余勢であるか)
 「不当な中止要請」(中止理由を問う)「不当な鍔競り合」(見極める)
 イ 規則は、普遍性や社会通念などを基盤に構成されているが、その規則にあまり縛られないで、常識的な考えをもって、本規則の「目的」を損なうことなく、運用することが大切である。
 ウ 細則「第14条」規則第15条の禁止物質および禁止方法とは、WADA(世界ドーピング防止機構)の最新の禁止表に掲載されているものをいう。以上

[6]指導法〔日本剣道形〕

全日本剣道連盟指導育成委員会 講師:濱﨑滿範士

(1)日本剣道形制定の経緯
・明治44年7月中学校令施工規則一部改正 剣道、柔道が中等学校の正科として採用さる。
・明治44年12月剣道形制定委員会設立(大日本武徳会、文部省、高等師範学校の三者協議)
(主査:根岸信五郎、門奈正、辻真平、内藤高治、高野佐三郎、の5氏に委任し草案を作成す。更に全国を11区分し20名の調査委員を招聘鋭意調査研究する。
・大正元年10月16日大日本帝国剣道形が制定された。
指導上の統一を図る目的でいずれの流派にも属さない各流派統合の象徴として制定した。
・大正6年9月、所作に関する細部の解釈の違いから不統一が顕著となり加註が施される。
・昭和8年5月、剣道形の更なる普及発展と細部の所作の詳解の必要から増加加註及び写真説明
「高野佐三郎(打)小川金之助(仕)」がなされ統一の徹底が図られる。
・昭和56年12月7日「日本剣道形解説書」制定
・平成24年4月1日「剣道講習会資料」第6版発行。

(2)意義
日本剣道形は、長い歴史を持ち、理合い精神面に深い内容を持つ我が国の伝統文化である。この伝統文化である剣道形を正しく継承し次代に伝えることは大きな意義がある。

(3)修練の目的
剣道形の修練を通じて、剣道の原点である剣の理法を学び、剣道の正しい普及発展に役立てることを目的とした。
高野佐三郎先生著「剣道」の中に「其道の練習法に三様あり、第一・形の練習、第二・仕合、第 三・撃ち込み稽古、是なり」と形修練の重要性を説いている。
また、指導者は「自らできるか(模範を示せるか)」「何を、どのように教えるかを」常に考えながら指導に当たられたい。

(4)重点事項(剣道講習会資料p91)
日本剣道形を正しく継承し、次代に伝えることは大きな意義がある。
『講習会資料「日本剣道形」作成の大綱』の目的を十分に理解し、平素から日本剣道形の修錬に努める必要がある。書きに留意し、習熟度に応じて、より深く高度な形を習得し、指導することが大切である。

1.立会前後の作法、立会の所作、刀の取扱い。
2.正しい刀(木刀)の操作(刃筋、手の内、鎬の使い方、一拍子の打突など)
3.打太刀、仕太刀の関係を理解し、呼吸を合わせ、原則として仕太刀が打太刀より先に動作を起こさないこと。
4.打太刀は間合に接したとき、機を捉えて打突部位を正しく打突し、仕太刀は勝機を逃すことなく打突部で打突部位を正確に打突すること。
5.形の実施中は、目付、呼吸法、残心などを心得て、気分を緩めることなく終始充実した気迫で行うこと。
以上

(5)基本的な留意事項(日本剣道形解説書の指導上の留意点P21と同)

(6)共通理解 全日本剣道連盟指導育成委員会
昭和56年制定『日本剣道形解説書』における文言の整合性をはかり疑問点を解消するため、『日本剣道形解説書』の文言を変更することなく「共通理解」とする。
1)中段の構えの延長とは、棟の鍔元と切先を直線で結んだ延長を言う。
2)太刀一本目,打太刀正面打ちを抜かれた剣先の高さは下段程度。
3)太刀四本目,双方切り結ぶ位置は、およそ刀の中央部、剣先は、正面の高さ。
4)太刀五本目,仕太刀の中段の構えは、一挙前に出し、刃先はやや斜め下。
5)太刀六本目,仕太刀がすり上げ小手を打った時、右足を踏み出し、左足を引き付けるを原則とするが、間合いによって引き付けなくても、踏み出したと解釈する。
6)太刀七本目,仕太刀がすれ違いながら胴を打つ時の方法。
(C)右足を右前に開いた時、刀を左肩上に振り上げ左足を踏み出すと同時に胴を打つ。
(C)右足を開いても(体は移動させない)刀を振り上げず、左足を踏み出すと同時に振り上げ振り下ろす一拍子で打つ方法(修錬者の錬度に応じて指導する)。
7)小太刀半身の構えの刃先の方向
(C)中段半身の構えは、刃先をやや斜め下に向ける。
(C)下段半身の構えの刃先は、真下とする。以上

官公庁剣道連盟 官公庁剣道連盟


「令和4年度剣道中央講習会」官公庁剣道連盟報告会資料に関しましては、こちらのPDF資料も合わせてご覧ください。

新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法

全日本剣道連盟試合・審判委員会

【趣旨】
1.主催大会実施にあたっての感染拡大予防ガイドラインの遵守 感染予防 。
2.不当な「つば(鍔)競り合い」および意図的な「時間空費」や「防御姿勢による接近する行為」の解決 。
・これまでの試合は試合時間の約半分以上が、「つば(鍔)競り合い」に費やされていると言われている 。これを改めて、立ち会いの間合からの攻め合いを中心とした試合展開へ移行する 。
・剣道の試合にとって「勝負」の要素は大事であるが、姑息な勝負の仕方を 是正し、反則ギリギリの勝負ではなく真っ向から勝負をする態度を養う。
・「つば(鍔)競り合い」については試合者の態度や心の問題が大きく影響し、規則だけで裁くのは困難である。試合者と審判員が共通に理解し、一体となって、良い試合の場を醸成する。
【審判員と試合者が共通に理解する主な事項】
1.意図的な時間空費や防御姿勢(勝負の回避)による相手に接近するような行為は、規則第1条に則り反則を適用する。
2.攻防や打突行動の中で相手と接触した場合、接触した瞬間の引き技や体当たりからの技(発声を含む)を積極的に出す。また、「つば(鍔)競り合い」になった場合は、技が出ない時には速やかに積極的に分かれる。試合者は、審判員の「分かれ」や「止め」の宣告を待つのではなく試合者双方で分かれる努力をする。
3.「つば(鍔)競り合い」解消に至る時間はおよそ「一呼吸」とする。
4.相互に分かれようとしている途中に技を出さない。この場合は技を出しても有効打突とはしない。一方が分かれようとしている時に追い込んで打突する行為や、分かれようと見せかけて打突する行為は反則を適用する場合がある。また、分かれる途中に相手の竹刀を「叩いたり」「巻いたり」「押さえつけたり」「逆交差」をしない。(審判員は状況や原因を踏まえた上で合議により判断する)
5.試合者は、分かれる場合は剣先が完全に触れない位置まで互いに分かれる。
6.分かれる場合は剣先を開いたり、下げて分かれない。
7.「つば(鍔)競り合い」を解消する場合 は双方がバラバラに下がらない。また、双方が徐々に下がるのではなく、正しい「つば(鍔)競り合い」から鍔と鍔で競り合う(押し合う)力を利用して一気に下がる。
8.マスクとシールドの着用マスクは、口鼻を隠し、正しく装着する。
シールドに関しては、口を覆うものは必須とし、目を覆うものは自由とする。
以上

新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合・審判法運用の質問事項及び解説

全日本剣道連盟 試合・審判委員会
1.審判法の解釈について
この運用は、「剣道試合・審判規則、細則」の変更ではない。『剣道試合・審判・運営要領の手引き』P9、三「規則の解釈と運用」2「つば(鍔)競り合いについて」の文言の具現化が感染症予防に効果が大きいことから、解釈をより厳格化し規則の運用を行うものである。

事項 解説
(1)境界線間際において試合者相互がつば競り合いから分かれる場合の運用
境界線間際におけるつば競り合いから分かれる場合の運用で、「試合者」「審判員」の留意点は? 試合者は場外に出てはならないが、主審は、試合者がつば競り合いの解消を目的に出そうになった場合は、ただちに「止め」をかけることが重要である。ただし、試合の運用上、やむを得ず場外に出てしまった場合は、合議の上、その時の状況により判断する。試合者は分かれる際、互いに場外へ出ないよう調整し,意図的に相手を場外に出るように仕向けてはならない。主審はそれを適切に処置することが肝要である。その他、 境界線間際での本運用を悪用するような不当行為は見逃さな いこと。
(2)逆交差や竹刀を開いたり、下げたりして分かれた際の運用
逆交差や竹刀を開いたり、下げたりして分かれた際、審判員はどのように見極めたらよいか? 竹刀の「開き方」や「下げ方」の程度や頻度による。再三(2~3回程度)繰り返したり、意図的な行為ならば合議の上、目的と現象を見極めて反則を適用する。
(3)接近した状況での掛け声
接近した状況で掛け声を発する試合者に対して、審判員はどのように見極めたらよいか? 感染症予防の観点から飛沫防止に欠かせない事項である。無意識での掛け声と思われる場合は、主審は試合を中止し「指導」する。指導後も繰り返されるようであれば、合議の上、反則を適用する。
(4)反則内容の説明
反則と判定した場合、試合者にその説明は必要か?また、その際の留意点は? 反則内容について説明が必要と思われる場合は「合議」後 に、規則第37条を適用し、理由を述べることができるものとする。その場合は試合者及び観衆にも理解できるようにジェスチャー等も交えながら明確に知らせる。
(5)つば競り合いの解消の際の見極めについて
つば(鍔)競り合いの解消の際に審判員が見極める上での留意点は? 「つば(鍔)競り合い」の解消に至る時間はおよそ「一呼吸」とし、双方が鍔と鍔で競り合う(押し合う)力を利用して一気に下がる。また、解消の際に一本先取された試合者が早く勝手に下がったり,逆に先取した試合者はなるべく時間を掛けて分かれるような場面が見受けられる。一般的に先取した方の選手を時間空費の反則にとる傾向が見受けられるが目的と現象をよく見極めて総合的に判断する。
(6)相互に分かれようとしている途中に技を出さない
相互に分かれようとしている途中に技を出した場合の対処方法やその運用の留意点は? 「つば(鍔)競り合い」は鍔と鍔が競り合って最も緊迫した間合であるので、互いに気を抜かないことが重要である。ただし、「一呼吸」後、相互に「分かれようとしている途中」に技を出しても有効打突とはしない。明らかに「分かれようと見せかけて」技を出した場合は合議の上、反則を適用する。 「相互に分かれようとしているとき」の技なのか「一呼吸」以内の引き技なのか微妙な事象が生じた場合は、打った側を反則としないし、有効打突にもしない方が妥当である。合議の上、目的と現象を見極めて判断する。
なお、「つば(鍔)競り合い」からの引き技を出す時間については「一呼吸」以内であり、機会の捉え方については、木刀による剣道基本技稽古法の「基本4引き技」を参考にしていただきたい。


新型コロナウイルス感染症が収束するまでの暫定的な試合審判法に関しましては、こちらのPDF資料も合わせてご覧ください。

日本剣道形「共通理解」

公益財団法人全日本剣道連盟 指導育成委員会指導者育成本部

昭和56年制定『日本剣道形解説書』における文言の整合性をはかり疑問点を解消するため、『日本剣道形解説書』の文言を変更することなく「共通理解」 とする 。
1.中段の構えの延長とは、棟の鍔元と切先を直線で結んだ延長をいう。
2.太刀一本目、打太刀正面打ちを抜かれた剣先の高さは下段程度。
3.太刀四本目、双方切り結ぶ位置は、およそ刀の中央部、剣先は正面の高さ。
4.太刀五本目、仕太刀の中段の構えは、一挙前に出し、刃先はやや斜め下。
5.太刀六本目、仕太刀がすり上げ小手を打った時 、右足 を踏み出し左足を引き付けるを原則とするが、間合によって引き付けなくても、踏み出したと解釈する。
6.太刀七本目、仕太刀がすれ違いながら右胴を打つときの方法。
 (1)右足を右前に開いたとき刀を左肩上に振り上げ、左足を踏み出すと同時に右胴を打つ。
 (2)右足を開いても体は移動させない 刀を振り上げず、左足を踏み出すと同時に振り上げ振り下ろし、一拍子で打つ。(修錬者の錬度に応じて指導する)
7.小太刀半身の構えの刃先の方向
 (1)中段半身の構えは、刃先をやや斜め下に向ける。
 (2)下段半身の構えの刃先は、真下とする。
以上


日本剣道形「共通理解」に関しましては、こちらのPDF資料も合わせてご覧ください。

FAIR PRIDEガイド

―アンチ・ドーピングの基礎知識 2021CODE―

FAIR PRIDEガイドに関しましては、こちらのPDF資料をご覧ください。

一般財団法人全日本剣道連盟における倫理に関するガイドライン

趣旨
一般財団法人全日本剣道連盟(以下「全剣連」)は、日本の伝統文化に 培われた剣道、居合道及び杖道(以下「剣道等」という。)の普及振興、「剣の理法の修錬による人間形成の道である」との剣道理念の実践等を図り、もって、心身の健全な発達、豊かな人間性の涵養、人材育成並びに地域社会の健全な発達及び国際相互理解の促進に寄与するという目的を達成する使命を担っている。(定款第3条)したがって、所属する役職員はもとより、全剣連のすべての会員※は、全剣連の使命や意義を自覚し、剣道修錬の心構えである、旺盛なる気力を養い、礼節をとうとび、信義を重んじ誠を尽くして、常に自己の修養に努めて、剣道理念の実践を図らなければならない。
※全剣連の会員は、現状では、地方代表団体(都道府県剣連)及び地方代表 団体に属する個人会員である。(会員規則)
しかしながら、全剣連においては、居合道の称号段位審査に関する金銭授受という、理念に大きく反する事態が明らかになった。指導者による暴力や体罰に関する報道、告発も依然続いている。また、他のスポーツ団体において、反倫理的行為(指導者の競技選手に対する暴力、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ ハラスメント等の各種ハラスメント、差別及び薬物乱用など)あるいは補助金の不適切な処理又は横領など、訴訟にも及ぶ法的問題が発生している。
が このような状況を十分に考慮し、全剣連は、常に公明正大でかつ健全化を目指した組織体制の整備と健全な組織運営を図っていくために必要な倫理に関する 諸事項を、以下の通りガイドラインとしてまとめた。
全剣連及び団体会員である地方代表団体においては、役職員、剣道指導者、主催大会・行事などに携わる審判員をはじめとする運営関係者、並びに選手及び剣道を学ぶ全剣連等の会員を対象として、倫理や社会規範に関する意識の啓発と問題の発生を未然に防ぐため、本ガイドラインの徹底を図るとともに、引き続き 体制の整備を進めて行くこととする。

反倫理的行為に起因する事項

1.身体的・精神的暴力(バイオレンス)行為等について
役職員、剣道指導者等は、以下の事項に留意しなければならない。また、全剣連は、これらの者に対して、講習会・研修会を通じ、自己の役 割や責任等を指導徹底する。
(1)組織の運営又は剣道を指導する際に意見の相違などが生じた場 合は、互いに話し合い、相手の人格を尊重して相互理解に努めること。特に指導的立場にある者は、選手、剣道を学ぶ者等への指導の際、暴力、パワー・ハラスメント行為と受け取られるような行いに は十分留意すること。
(2)剣道を行う際又は指導する際に問題解決の手段として、暴力、パワー・ハラスメント行為(直接的暴力、暴言、脅迫、威圧等)を行う ことは、厳に禁ずる。

2.身体的及び精神的セクシュアル・ハラスメントについて
役職員、剣道指導者及び選手等は、身体的及び精神的セクシュアル・ハラスメントを絶対に行わない。全剣連は、広報・情報資料を通じて具体的な教育啓発活動を行うとともに、講習会・研修会等においても周知 徹底を図っていく。
(1)安易に性的・性差別的言動や表現及び相手が不快に感じるよう な言動、表現、行為などを行うことは、厳に慎むこと。
(2)親しみの言動、表現であっても、個人によって受け止め方に違いがあることを認識すること。
(3)本人に悪意がない場合でも、その言動によって相手が不快に感じた場合は、セクシュアル・ハラスメントになり得ることを認識すること。
(4)性的言動、表現を受けて不快に感じた場合は、無視せずに相手に対して毅然として「不快である」旨を、はっきりと意思表示をすること。(注意…無視した場合は、「受け容れている」と相手に誤解される恐れがある。)

3.差別について 全剣連の全ての剣道関係者は、合理的理由なく、人種・民族、性別、 年齢等による差別を行ってはならない。

4.アンチ・ドーピング及び薬物乱用防止について 選手等は、ドーピング及び薬物乱用を絶対に行ってはならない。全剣連は、指導者及び選手等に対し、徹底した啓発活動を行っていく。
(1)競技能力を高めるためにドーピングを行うことは、フェアプレーの精神に反するばかりではなく、選手等の健康を害するものであり、絶対に行わないこと。 (2)本人にドーピングを行った意識がなくても、摂取した薬品等によっては、ドーピングの禁止薬物等が含まれている場合もあるため、選手等及び指導者は、ドーピングに関する知識を十分に深めること。
(3)麻薬や覚醒剤等薬物の使用は、反社会的な行為のみならず、使用した人間の人格をも破壊するものであり、いかなる目的であっても絶対に使用しないこと。
(4)大麻等薬物の使用は違法であり、いかなる目的であっても絶対 に使用しないこと。

5.役員及び監督・審判員等の指導的立場にある者並びに選手等の関係の在り方について 相手の立場を尊重するとともに、自分の置かれている立場を自覚して 責任ある行動に努めなければならない。
(1)役員及び監督・審判員等の指導的立場にある者並びに選手等は、上司と部下、先輩と後輩などの上下関係を利用し、立場の弱い者に対して、人道的に反する行動や強要をしないこと。
(2)役員及び監督・審判員等の指導的立場にある者は、その立場、役割、権限等の範囲を超えた精神的・身体的暴力行為等を大会・行事などに携わる関係者及び選手等に与えないこと。
(3)プライバシー(個人的人権)の問題については、役員・監督・審判員等指導的立場にある者及び選手等がそれぞれ十分配慮すること。

6.称号段位審査員と受審者との関係について 称号段位審査員は、誇りと使命感を持って、厳正、公正、適切に、かつ 審査規則等を遵守して誠実に審査を行わなければならない。
(1)審査に関連しての金品の授受は絶対に行わないこと。 (2)審査についていささかも疑念が持たれないよう、その言動は厳 に慎むこと。

不適切な経理処理に起因する事項
1.経理処理について 全剣連は、公的な組織であることを認識し、“公益法人会計基準”に準じて作成された全剣連会計規則に則り、正しい経理を行うとともに、内部牽制組織及び監事並びに外部監査人による監査体制を確立する。
(1)補助金などの取り扱いについては、補助先・助成先のその補助・助成の目的及び経理要項等を遵守の上、適正な経理処理を行い、決して他の目的に流用などをしないこと。
(2)経理処理については、不法又は不正行為・不祥事等を未然に防ぐため、内部牽制を組織化し、少数の担当役職員に任せきりにしないこと。同時に、組織内部における定期的なチェック及び公認会計士 などによる外部監査を受けるようにすること。
(3)関係者が、自己又は第三者のためにする全剣連との取引など全剣連と利益が相反する取引は可能な限り避けることとするが、止むを得ない場合は、理事会の承認など所定の手続きを経ること。
(4)業者等との契約の際には、契約書に暴力団排除条項を記載し、暴力団等反社会的勢力でないことを表明・確約させること。
2.不正行為について全剣連は、次に示すような行為は、厳に禁じる。
(1)組織内外の金銭の横領など
(2)不適切な報酬、手当、手数料、接待・供応等の直接又は間接的な強要、受領若しくは提供
(3)組織内外における施設、用器具等の購入などに関わる贈収賄行 為
(4)組織内外における不適切な指導又は監査

各種大会における代表競技選手・役員の選考などに関する事項
全剣連は、各種大会の代表競技選手などの選考にあたっては、選考基準を明確に定め、選考結果に疑惑を抱かせることのないよう公平かつ透明性ある 選考を行うものとする。 また、選考結果に対して質問や抗議等があった場合は、速やかに対応するとともに、相手に理解されるよう明快な説明に努めるなど、適切に処理するものとする。 6

安全・事故防止及び一般社会人としての社会規範に関する事項
1.安全・事故防止 指導的立場にある者並びに選手等は、剣道の実践において、常に安全への配慮、事故防止に努めなければならない。
2.一般社会人としての社会規範 本ガイドラインに示す対象者は、特に、大会等に関わる時以外の日常 生活においても社会規範としての慣習、道徳、法律を強く意識・励行し、社会秩序の維持に努めるものとする。 また、全剣連は、次に示すような反社会的行為を厳に禁じる。
(1)違法賭博 (2)暴力団等反社会的勢力との交際など。
以 上


一般財団法人全日本剣道連盟における倫理に関するガイドラインに関しましては、こちらのPDF資料も合わせてご覧ください。